糖質制限について

最近でも論争が絶えない糖質制限。

先日(10/4)も 深層ニュース 糖質制限で減量に賛否 賛成派と反対派が激論 健康にやせる方法は?という番組が放送され話題になっていました。

それでは一体、糖質制限ダイエットをふくめ糖質制限が健康にいいのかそれともよくないのかを、最新のデータを紹介しながら、解説してみたいと思います。

まずは最新と思われる糖質制限に関する論文を紹介します。

世界で最も権威のある医学雑誌の一つである「ランセット」スコット・ソロモン氏らが2018・8/16に発表した論文で、45~65歳の米国成人1万5,428人を対象に中央値で25年間追跡し、炭水化物の摂取状況と死亡率との関連を調べました。

その結果は、総摂取エネルギーに占める炭水化物の割合が50~55%だった場合に最も死亡リスクが低いことが分かったそうです。

炭水化物の摂取比率は寿命にも関係しており、炭水化物を適度(摂取比率が50~55%)に摂取する人の50歳時点の余命は33年で、炭水化物の摂取比率を30%未満に制限する人よりも4年長く、摂取比率が65%を超える人よりも1年長かったそうです。また、日本を含む各国から43万2,179人のデータを用いてメタ解析を実施した結果も、炭水化物を適度に摂取するのに比べて、炭水化物の摂取比率が40%未満もしくは70%以上の場合には死亡リスクが有意に上昇し、寿命が短縮することが明らかになったとのことです。

そして、炭水化物の摂取を制限する場合には、牛や羊、豚の肉やチーズなどの動物性のたんぱく質と脂肪の摂取量を増やすと早期死亡リスクは高まるが、野菜や豆類、ナッツなど植物性のたんぱく質と脂肪の摂取量を増やすと早期死亡リスクは低下することも分かったとのこと。

最新の論文によると、要するに、炭水化物の摂取量が少なすぎる場合も多すぎる場合もリスクが高く、適度な炭水化物の摂取量の人が、死亡リスクが低く長生きで糖質制限をする場合は植物性のたんぱく質をとると良いという、いかにも常識的な結果になったという事です。

糖質制限ダイエットの背景

それでは、糖質制限ダイエットが話題になり流行するという背景を説明していきましょう。

やはり、背景には脂質やたんぱく質に対する考え方が大きく変化したことが大きいでしょう。

2015年、米国食事ガイドラインアドバイス委員会が、脂質制限を行っても、心臓病や脳卒中といった心血管疾患を減少させることができず肥満の予防にもならないことを述べ、過去40年におよぶ脂質制限の栄養政策を真逆にし、脂質摂取に上限をつけないことを宣言しています。

また、糖質についても考え方が真逆になっており、2006 年の段階では、アメリカ糖尿病学会は「糖質制限食は推奨されない」としていたものの 、2008年に「糖質制限は肥満治療の一選択肢である」と記述を変え、ついに 2013 年「糖尿病治療の第一選択肢の一つである。」と推奨するようになったとのことです。

さらに、たんぱく質においても、2008年まで「腎機能障害がある糖尿病患者は蛋白質を制限するべきだ。」と言っていたアメリカ糖尿病学会が、2013年には「蛋白質制限食は推奨されない。なぜならば蛋白質を制限しても腎機能の保護にならないからだ。」としているそうです。

1971年のアメリカ糖尿病学会の最初の栄養ガイドラインは「カロリー摂取の適正化による理想体重の獲得こそが糖尿病治療の最重要課題である。」としていましたが、1994年には「カロリー摂取の適正化による体重減量は短期には有効だが、通常、長期に維持できない。」として、重要課題から外しているとのことです。

まとめると

①カロリー制限(腹八分目)が健康によい→長期的には維持できないので推奨しない。

②脂質制限が動脈硬化症予防によい→実際は血管疾患は減少しないし肥満の予防にもならない。

③蛋白制限が腎機能保護によい→実際は腎機能の保護にはならない。

④糖質制限は勧められない→糖質制限食は第一選択肢であると推奨される

特に、40年以上ダイエットの天敵とされていた脂質に対する考え方が大きく転換したことが糖質制限ダイエットの流行を後押しした大きな要因と思われます。

糖質制限ダイエットの歴史

それでは、糖質制限がどのような経緯で広まっていったのかを見ていきましょう。

糖質制限ダイエットは、1862年英国のロンドンで耳鼻科医のウィリアム・ハーヴェィが、バンチング氏に糖質制限を処方して、半年間で30kgくらいの減量を成功させたことが最初のようです。

その後、バンチングは糖質制限の本を出版し、バンチング・ダイエットとして一世を風靡したという事です。

その後、米国にて1950年代にペニントンが糖質制限法を最初に発表し、1963年にゴードンゴールドバーグが米国医師会雑誌JAMAに糖質制限法を発表したそうです。

そして、1972年から、循環器内科医のロバート・アトキンスがそのJAMAの論文を読んで、糖質制限ダイエットを始め、それがアトキンスダイエットとして有名になり世界中に広まったとのことです。

また、1997年にリチャード・K・バーンスタイン「糖尿病の解決」という本がベストセラーになり全世界で大反響になりました。

日本では2005年出版の主食を抜けば糖尿病は良くなる! 糖質制限食のすすめ江部康二先生らが糖質制限食を推奨し始めて、その後沢山の医師や一般の人々が実施して、その効果が多く出版されているとのことです。

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